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ヴェルディの弦楽四重奏曲

10年以上演奏を続けている目黒弦楽四重奏団
明後日、ヴェルディの弦楽四重奏を中心に演奏してきます


この弦楽四重奏曲
1872年 歌劇「ドン・カルロ」と歌劇「アイーダ」のリハーサルでナポリに滞在中
歌手の降板により、作曲の時間を得たヴェルディが

わずか数週間で仕上げ

プライベートな集まりですぐに披露されたそうです169.png



演奏は大成功をおさめたというのに
ヴェルディ自身は、楽譜の出版を頑なに拒否

理由は
「暇つぶしのために書いた作品だから」と119.png


しかし、最近の研究で
実はこの弦楽四重奏を書くため
ヴェルディは何年も前から準備していたことがわかってきました


オペラ王・ヴェルディの唯一の室内楽作品である弦楽四重奏曲は
今日では高く評価されていますが
演奏の機会は決して多くはありません

ぜひこの機会に聴いてみてください!
コンサート詳細はコチラ

新春なので、華やかなオペラ・アリアやウィンナ・ワルツとともに
このヴェルディの傑作をお届けします


(以下、楽章の解説です)

第1楽章 アレグロ ホ短調 4/4拍子
ヴェルディの歌劇を思わせるようなドラマティックな第1主題
蕩けそうな美しく叙情的な第2主題 
しかしそれも束の間、緊張感の高いパッセージが続く
やや弛緩する部分はあるにはあるが、楽章の終わりまで持続する緊張感はハラハラもの

第2楽章 アンダンティーノ ハ長調 3/4拍子
ハ長調なのに変ホの音が遇らわれているニヒルな印象すら漂うテーマ
それが展開していき情熱を帯びていく様が見事
最後は間違いなくハ長調で、やっと緊張が和らいで終わる

第3楽章 プレスティッシモ ホ短調 3/4拍子
ホ短調を感じさせない冒頭から、変イ長調への転調、ホ短調への回帰
そして、カンツォーネを思わせるようなホッとするトリオが挟みこまれる

第4楽章 スケルツォ・フーガ ホ短調-ホ長調 4/4拍子
第2ヴァイオリンからスタートするフーガの形式で書かれた作品
ベートーヴェンの交響曲「運命」のモティーフが隠し味になって
最後もこのモティーフによりホ長調が高らかに宣言されて曲を閉じる


by Violinmusik | 2025-01-16 22:53 | 日常