旅立ち
そして最近、病院に急ぐ救急車のサイレン音をよく耳にします。
母が死ぬ前は、そのサイレンを聞くたびに
「おかあちゃんを救急車に乗せるのなんて耐えられない・・・」
救急車、病院、どっちも私には無理だろうな。
って思っていました。
一方、父は一年に一度くらいのペースで救急車のお世話になっていて
私が同乗した時のある日なんかは
ん・・・今回ばかりは・・・もうやばいな
というところまできちゃってて、その時は病院に着いても意識が戻りませんでした。
だから、父のことについては、覚悟はできているっていうか、慣れているっていうか。
でも、母はあんなに元気だったのに、突然、死んでしまいました。
しかも、救急車にも乗せてもらえず、病院にも運んでもらえませんでした。
サイレンの音を聞くたびに、今は少しつらい気持ちになります。
おかあちゃんを救急車に乗せたかったなって。病院でもなんでも看病をしたかったなって。
もうすぐ母の四十九日です。
今、母は日本中を旅行して旅立ちの準備をしているように、私は感じます。
そして私も、母のいない世界へ旅立とう・・・